第1回国際理解講座  市内日本語教室の講師によるパネルディスカッション  2012年1月28日(土)
第1回国際理解講座  「市内日本語教室の講師によるパネルディスカッション」
日時:2012年1月28日(土)13:30〜16:00
場所:茅ヶ崎市女性センター、大会議室

日頃から、市内在住外国人と接する機会が最も多く、様々な相談を受けておられる日本語教室の講師をしている方に集まっていただき、外国人の様子や問題などを話していただきました。

第1回国際理解講座
外国籍市民が抱える諸問題について−討議のまとめ

平成24年1月28日(土)13:30−16:00
茅ケ崎市女性センター 大会議室  全参加者:28名
茅ケ崎市男女共同参画課・茅ケ崎市国際交流協会 共催

▼▼▼▼▼▼主催者あいさつ―茅ケ崎市男女共同参画課大西課長
まず本日のご出席、ご参加に感謝します。今日のテーマは言葉や習慣を乗り越えて問題への対応を進める非常によい機会です。国際理解にもつながることと思います。

▼▼▼▼▼▼外国籍市民の現状と市の対策について―男女共同参画課佐藤氏
外国籍市民数:茅ケ崎市全人口の0・63%(2010・12・31現在1,477人―中国人360、朝鮮・韓国331、フィリッピン228、USA82)。
平塚市1.8%、藤沢市1.4%、寒川町1.4%に比べて低い。
市の対策:外国人向け生活便利帳の発行、英字新聞チガサキ・ブリーズの発行、市HPの多言語翻訳(8カ国の言語)
地方自治法第10条の規定:地方自治体の住民は、各種の行政サービスを受ける権利がある。(市の対応が要請されている)。
本年7月から外国人登録から基本住民台帳に変更される。
多文化共生のまちづくり―2006・3総務省研究会報告  「国籍・民族の異なる人々が、文化的な違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きて行く」

▼▼▼▼▼▼日本語教室の発表:
日本語道場
支援者、学習者ともに楽しく学ぶことが目標。支援者7人、学習者10人前後で流動的、入学金500円のみ徴収。20年前、中国研修生が来て日本語と日常生活上の支援活動が道場スタートの発端。学習者の要望に従いつつ教える、外国人交流の場、困ったことの相談、日常生活情報の入手、など。
市に対しては、日本語教師育成コースの開設、本日のようなお互いの交流の促進を望む。

日本語ボランテイアすみれ
市の養成講座を受けて16年前にスタートした。支援者5人、学習者8人。テキストは「みんなの日本語」で、学習者の要望にも従い、日本文化も知ってもらう。子育ての問題、職場でのトラブルや人間関係の相談があり、できる範囲で応じている。

茅ケ崎にほんごの会 あいあう
4年前の設立、今日の機会を設けてくれた市とIACに感謝。支援者7人、学習者15人(レベル別に3クラス)。活動上の苦労や工夫、問題に取り組むために今後ともこのような会合を継続してほしい。相談されることは、日本での野菜等の物価高、日常生活上の問題、困っていることなど。レベルの差があって教え方に工夫が必要。ある程度話せる学習者にアシストしてもらっている。教える事は学ぶ事です。生徒は定着しない、彼らの期待に対応していないかも? 勤めている人は熱心で、職場責任者にお願いして出席を頼んでもらうことも有効かもしれません。

茅ケ崎にほんごの会 土曜クラス
日本での生活になじむための最小限度の日本語会話が中心。出席はよくない。日本語3−4級試験の勉強も要請される。就職、アルバイト、子育て、市の案内の翻訳、医者に同行、入管の手続き、保険会社とのコンタクトなど相談ごとも多い。市への要望は、場所の確保、テキスト等の保管場所、などです。

茅ヶ崎市国際交流協会・日本語教室(日曜教室)
先生12名、生徒45−50名。主婦、企業の研修生が増加している。日本語での交流のために休憩時間を重視し、コーヒー・紅茶を1杯10円で準備している。IACの日本語スピーチ大会への参加、イベントへの参加、日本文化を知ってもらうためのイベントも。テキストは「みんなの日本語」で初期―上級別に教えている。
 悩んでいること:出入りが激しくやりにくい、運営も難しい、先生方の勉強もやれていない、資金不足で問題集など先生の負担になっている。テキストやお茶道具などの保管場所にも困っている。

▼▼▼▼▼▼質疑応答と意見交換
生徒への費用は? 500円の入会金、10円の飲み物代以外は無く、文字通りボランテイア活動である。

市への質問: 講習会の開催は? 小・中学生への支援は? 米国での実例を指摘。
サポセンはあるが、外国人のための拠点づくりは必要である。外国人ラウンジ、相談窓口など。また、女性センターが日曜日に休館している現状も改善が望まれる。
日本語教師育成講座については、事実上開催は難しい。きっかけづくり講座のようなものを考えたい。支援金支払いのような支援は難しい。ラウンジのようなものは、よい点はよく理解できるが、すぐの実現は無理であろう(佐藤氏)。茅ケ崎市教育委員会では、5名の先生が支援している。週2回5時間で2年間くらいは対応できる。

各教室への質問: どの程度の相談のようなサポートを行っているか?
各種の書類の作成など他種多様の支援をしているが、対応にもボランテイアでは限界がある。
入管や法務局手続き(かなりの時間と交通費も必要)など教室のみでは無理。
外国籍市民も生活しなくてはならず(収入が少なく生活費に余裕がない。生活の不便さ暮らしにくさあり)、語学への意欲と熱心さに差がある。有料日本語教室は違うかも。
日本語を通して日本と日本文化も勉強するよい機会といえる。
離婚の相談まで受けた。
相談に真摯に応じて、人間関係や信頼が築かれたこともある。精神的支援も大切。
外国人への市の支援も必要だ。
先生の多くは信頼感をつくりたいと思っているが、先生1人に多様な複数の生徒では、事実上相談にも限界がある。
相談を受け、費用も掛っても実行していたが、ボランテイアは自分自身のためである。

                                          まとめ:茅ヶ崎市国際交流協会、国際理解グループ 嶋田
                                          写真:ホームページ石井

                                             

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