2020年12月7日(月)に文団協のグループの湘南シレーネの会員よる『聞楽ちがさき朗読会』が茅ヶ崎駅南口にあるスタジオベルソーで開催されました。

この朗読会ではえぼし岩を舞台にした冒険物語「姥島探検記」の他に、東京オリンピックで茅ヶ崎市がホストタウンとして登録された北マケドニアの民話『カエルとネズミ』と『北風』も紹介されました。

この会には駐日北マケドニア共和国大使館のクリスティーナ・ストイチェヴスカ臨時代理大使が招待され、会が終わった後に懇談会が開催されました。

湘南シレーネの会員5名と、更にマケドニア民話『少女と12の月の精霊』の日本語版の作成に参加したIACの北マケドニアグループ(仮称)のメンバー4人が参加し、臨時代理大使に質問して、北マケドニアの色々な話を聞きくことができました。

臨時代理大使は、幼少の頃から親しんできた物語を日本で聞くことができたことに深く感銘を受けた様子で、日本語は少ししか分からないけれど、民話は良く知っているし、朗読が素晴らしかったので、胸がときめいたと話していました。彼女の母親は学校の先生だったので、家や学校でも、これらの物語を子供たちに話して聞かせていたそうです。

また、彼女の父親は哲学の教授だったそうで、北マケドニアの様々な地方に出かけて行っては、お年寄りから昔話を教えてもらい、それを書き起こすという作業をされていたそうです。北マケドニアの民話には、ハッピーエンドでないものもありますが、大人が子供たちと物事の善悪などについて話す時にも役立つし、子供たちは物語から多くのことを学べると話していました。北マケドニアでは、このような優れた物語の本の出版を推奨するプロジェクトがあり、それらの本には特別なマークが印刷されているそうです。

朗読会で読まれた「北風」にパイが出てきたので、パイの話もありました。北マケドニアには、たくさんの種類の美味しいパイがあり、食事用には、チーズや肉、ほうれん草、芋、カボチャなどの野菜が入ったもの、デザート用には林檎やサクランボなどの果物が入った甘いパイがあるとのこと。中でも伝統的なのは、何層にも重なった薄いパイ生地の中にチーズ、卵、ほうれん草を入れて焼いたパイで、これは太陽のように見えるパイなのだそうです。レシピはお婆さんから母親へ、そして母親から娘たちへと代々受け継がれます。パイの話をしただけで、お腹が空いてきちゃうと笑っていました。

この他にIACからは、もうすぐやって来るクリスマスやお正月などの楽しい季節を、 北マケドニアの人々が どのように過ごすのかを質問しました。 彼女によると、北マケドニアにもカトリック教徒やイスラム教徒もいるが、多くの国民はマケドニア正教徒だそうで、彼らにとってのクリスマスは12月ではなく、1月6日だそうです。

クリスマスには日本と同じように、ツリーやイルミネーションを飾り、子供たちはツリーの下にプレゼントを見つけては喜び、街全体が本当に美しくなると楽しそうに話してくれました。今はコロナのせいで辛い時期ですが、クリスマスのイルミネーションが人々の心を癒してくれることを願っていると言います。お正月は、大晦日からの年越しを皆で祝うとのことでした。

なお、この懇談会については、12月18日発行の茅ヶ崎版タウンニュースに記事が掲載される予定です。